明治ミルクと俺とサノさん

恋人がいます。あと何日かすれば3周年4年目突入だね!っていう恋人。
そんな恋人は、「俺はたぶん誰とも結婚しちゃいけないし、きっと子供もつくっちゃいけないんだ」っていう男です。

恋人が言うには、「だって結婚しても子供つくってもきっと、誰かに迷惑がかかる」んだそうで。
そんなことを言われてしまったわたしは一体、どうすれば良いのかわからずに、ただ、目の前がガラガラと音をたてて崩れていくような気分をもろに味わいました。

だって、そうしたらわたしはどうなるんだろう、って思うじゃない。
このままだらだらと先がないままに付き合ってわたしはどんどん若さを失っていってひょんなことから別れてしまってけっきょく彼は別れた直後に若い女の子とあっという間に結婚しちゃってわたしは何もかも失ってはいしゅーりょー、みたいなことになってしまいそうな気がするじゃない。
茶化しているわけでもなく、本気で、思うんだよ。
年齢とか関係なく、いつでも誰でも、やっぱり先がない恋愛っていうのは辛くてやっていけないんじゃないかなぁ、と。理由は何であれ、「この人と一緒にいたい」と思うからこそ(それが叶うか叶わないかは別にして)喧嘩もできるし自分の悪いところは治す努力もできるし、それ以上にそういう「先」を見ながら一緒にいられると嬉しい。たとえ、いつかはそれが崩れてしまうとしても嬉しい。
でも、その先はありませんよ、と、目の前に突きつけられたらどうしても、「どうせこの人との将来はないんだよな」と思ってしまって何もかも、面倒になるよ。
「今があれば良いじゃない」と言うのももちろんアリだろうけれど、それはきっと「先のことなんてわかりっこないんだから」っていうのが前提にあるからだと思うんだ。
それに、「誰かに迷惑がかかるから結婚なんてしたくない」と、ことばに出して言ってしまう(それも、その可能性があるかもしれない人に向かって)のは、とても失礼なことだと思うし、相手を見くびっているようにも思えるし何より、マイナスの感情以外に何も生まないだろう。これは本当に、目の前にいた「恋人であるわたし」の存在が全部、否定されたような気分だった。
そう言う彼にもきっと、何か思うところがあったんだろうけれど、わたしには、そのことばしか届かないもんだから。それ以外のことは何ひとつわからないから。

何なんだろう、これは。
わたしにはこうやって何もない場所で吐き出すことしかできない。